なつかしの特撮ヒーロー・ウルトラセブンの肖像や怪獣・宇宙人・ストーリーまで
ウルトラセブン Classic World
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 ウルトラセブン解析
ウルトラセブン ストーリー紹介
第11話「魔の山へ飛べ」


[ストーリー] イワミ山で若者たちが謎の死を遂げる事件が相次ぎ、ウルトラ警備隊は捜査に乗り出す。いやな予感がするというソガの懸念は的中し、ダンは現場検証中に突然犠牲となる。外傷もなければ毒物もない。一体なぜ?ダンの弔い合戦に意気上がる隊員たちは現場付近の洞窟で野人のような宇宙人に遭遇する。彼らは老衰した民族であって、若い命を狙って生命カメラで命を集めていたのだという。ということはダンたちはそのフィルムの中に?


ウルトラセブン ポイント寸評

今回の舞台はイワミ山という、西部劇を思わせる殺伐とした荒野であり、見ればサボテンのような植物まで見られる。若者たちは乗馬に興じたりして、ますます西部劇?ところがこの舞台で信じがたい悲劇が起きる。突然若者たちが相次いで、外傷も争った形跡もなく死体となって見つかったのだ。ウルトラ警備隊は直ちに捜査に乗り出す。ウルトラホーク3号に搭乗したソガは、神妙な面持ちでダンに「何か一大事が起こりそうな気がする」と弱気だ。13日の金曜日だからというと、ダンは一笑に付する(笑いすぎっ!先輩に失礼な)


ところが、その不安は的中する。現場を調査中のダンは岩陰から何者かが狙うカメラの焦点に収まると、突然息絶えた。すぐに気がついたソガはダンのもとへ駆け寄るが応答がない。脈がないことを確認すると、絶叫するソガ。「ダーーーーーーーーーンっ!!」


次の場面ではメディカルセンターでダンの死を確認するところ。泣きじゃくる隊員たちを横目にキリヤマ隊長は「今、彼の死が隊員たちに知れたら、みんなの士気に影響する」「今度の事件が解決するまで内密にしておく」って、ダンは防衛軍でもカリスマ的な存在だったのでしょうか。また、内密にするのはいけないことですね。昨今の諸々の官庁や企業の不祥事がそのことを教えてくれています(笑)。そして「これはダンの弔い合戦だ!!」とかっこよくしめてくれます。最終回に次ぐ名シーンといえるでしょう。ちょっと待って!よく聞けば「ダンがやられるほどの相手」とか、「われわれウルトラ警備隊の手で」って、ダンの存在の特別性や警備隊との距離感を感じさせます。もしや隊長はダンの正体を・・・?まあ、杞憂でしょうね。それはそうと、今回アンヌの登場はありません。理由はわかりませんが、ソガや他の隊員たちがあれだけ悲しんでいるのです。この場面でアンヌを登場させるのはたしかに残酷ではあります。


さっそく現場へ急行する隊長以下、警備隊員たち。しかし、普通に考えて争った形跡もなく無傷で命を失ったダンの姿を思えば、十分な研究もされないまま皆で出動するのはあまりにも危険ではと思ってしまいます。特に隊長さん、万一のことがあったら警備隊はどうなるの?と横槍をいれたくなります。自分はもう若者ではないから大丈夫、とでも思ったのでしょうか(笑)。案の定、警察の連絡どおり洞窟を探索すると、警官2人が相次いで犠牲になる。こういうときって、警備隊員など、主役級は助かるものなのですね。それにひきかえ、警官の間抜けぶり(?)が目立ちます。犠牲と引き換えに隊員たちはその方向へ銃を大乱射すると、遭難した人物と、謎の宇宙人に遭遇。ところがこのとき、宇宙人・ワイルド星人はとんでもない失態をしてしまう(宇宙人というよりも、どうみても洞窟がよく似合う雪男といった風貌ですが)。一斉攻撃に動揺したのか、何と秘密兵器を置いていってしまうのだ。当然警備隊としてはこれを持ち帰り、調査することに。


基地に戻った隊長のもと、さっそく解明に努めるが、そこでアマギはとんでもないことを発見。宇宙人が置いていった銃は何とカメラの役割をもち、しかもそれは命を吸い取るものなのだそうだ。そして、そのフィルムの中には・・・驚くなかれ、ダンや襲われたはずの人たちが魂のごとくうごめいて、生きているというのだ。ダンを助けてくれというフルハシの言葉はいかにも儀礼的に言っているようで、妙におかしい。

ソガが洞窟を捜索していると先ほどの宇宙人が現れ、銃を向けると何と命乞いをしてくるではないか!そして、自分たちは民族全体が老衰しているため若い命がほしかったのだと、自分たちの計画を語る。同情を買おうとしているようにも、苦し紛れの言い訳にも聞こえる。日本も少子高齢化が叫ばれる現在、いずれこんな問題が起きてもおかしくない。いやはや、こんなところにも円谷プロの先見性を感じます・・・いやあ、お見事!って、感心している場合じゃないですね。しかし、この命を持って帰るとダンたちはワイルド星であの毛むくじゃらの状態で過ごすことになるのでしょうか・・・。仮にも死体に乗り移るわけではないでしょうから、一心同体?考えただけでもぞっとしますね(笑)。


宇宙人の要求を断ったソガは襲われて操られる。そのソガの要求で隊長たちが先ほどの生命フィルムをもって再び洞窟へ。ここで隊長は独断で一芝居演じます。「ソガの命には代えられん」と言ってフィルムを宇宙人に渡し、ソガを担ぎ上げて退散。すると・・・フィルムの缶は空っぽ。怒った宇宙人は何か叫んでいる・・・「ナース!ナース!」(怒ってもゴリラが怒ったごとく、少しも怖くありませんが)そうする間にもアマギはダンたちの救出に懸命だ。


金色に輝く竜のような怪獣ナース登場。ワイルド星人が何とも・・・という分までカッコイイ!!セブンにも絡みついたりして苦しめます。そして、とぐろを巻くと円盤に早変わり!(ちょっとイカサマっぽい変わり方ですが)


ラストでダンが再登場する場面はいかにも西部劇。音楽までも・・・殺伐とした荒野は実は浅間山なのだそうです。


今回登場するワイルド星人はセブン=ダンの存在を知らなかったとみえます。それなのに、誰もがなしえなかった「セブン打倒」の悲願をあっさりと実現してしまった。思いがけず手にした標的は実はとんでもない大収穫だったことに気づく間もなく敗れ去っていく惨めな宇宙人・・・。


侵略者

  ワイルド星人(宇宙野人)

侵略目的

  若い生命を獲得するため 別に地球でなくても良いみたい

侵略方法

  生命カメラで命を吸収

侵略アイテム

  生命カメラ 宇宙竜ナース

防衛軍の対策

  フィルムをめぐって交渉 フィルムからの救出


ウルトラセブン選集



ワイルド星人に操られる宇宙竜ナースはウルトラセブンに巻き付いたりして苦しめます。