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 ウルトラセブン解析
ウルトラセブン ストーリー紹介
第13話「V3から来た男」


[ストーリー] 宇宙ステーションV3のパトロール機が謎の宇宙船を追って格闘の末、唯一生還したクラタ隊長が旧友であるキリヤマの待つウルトラ警備隊へ。「また一人で帰りました」とうそぶくクラタに士官学校時代からの仲というキリヤマは時には対立しながらも友情を交し合う。警備隊でもアイロス星人の攻撃でフルハシとアマギが捕虜になった。クラタ、キリヤマは部下の仇とばかりにそれぞれホークに分乗して格闘を繰り広げる。



ウルトラセブン ポイント寸評

この回は地球防衛軍内部の人間ドラマ、ウルトラ警備隊キリヤマ隊長と、士官学校以来の友で人であるという宇宙ステーションV3クラタ隊長との熱い人間模様が繰り広げられます。冒頭いきなり正体不明の宇宙船が、それを追ったV3のパトロール隊3機と戦闘状態に入る。2機が撃墜され、残るはクラタ隊長の操縦機のみ。ステーションからは3機とも帰還せずという連絡が・・・。親友の身を案じるキリヤマ。しかし血気盛んなクラタはすでに地球まで来ていた。宇宙船は燃料切れのため地球に不時着していたのだ(燃料を使わない宇宙船というのは並みいる宇宙人といえども開発されていないのですね)。宇宙船はクラタの操縦機と、救援のウルトラホークをも撃墜、クラタは脱出を試みるが、同乗者は隣席ですでに息絶えていた。


序盤から激しい攻防を繰り広げる展開、その中でクラタ隊長の人物像が濃厚です。口が悪く何事も自信満々、ちょっとキザな感じだが腕は確かなようだ。冷静なキリヤマとはかなり対照的に見えます。この方が最終回でまたも出番が回ってきます。基地へ顔を出すクラタ、マナベ参謀に挨拶すると、「また一人で戻りました。今度は月へでも放り出しますか」とおどける。どうやらこれまでにもその勇気と腕前と強運によって生き延びてきたとみえます。キリヤマ隊長に会うと、「モグラ」「悪党」などと呼び合っています。「悪党」はうなづけますが(笑)、キリヤマ隊長のあだ名が「モグラ」だったとは・・・。


このときのクラタの報告で救援のホーク1号が不時着していることを知り、救出に向かおうとする警備隊だが、部下を失ったクラタは自分が行くと言い出す。キリヤマは地上の敵は警備隊の管轄だといってクラタに休養するよう指示。その頃、宇宙船内では捕らえられたフルハシとアマギが宇宙人によって分身を作られている。その分身に命令する宇宙人。「防衛軍基地の固形燃料を奪い取れ」とのこと。


無事救出され基地に戻るフルハシとアマギ。このフルハシとアマギの分身ですが、いかにも気の抜けたようなうつろな表情。すかさずダンやクラタに、おかしいと見られますが、これでは子供が見たっておかしいですよね。クラタは「幽霊でも見るような顔」、ダンは「人間の目ではない」などと言いたい放題に言われてます。


ダンの宇宙人センサーが感知したのか、早速2人の行動を尾行すると、燃料室に入っていく(4話でもフルハシを尾行する場面がありましたね)。銃を撃とうとする2人を、やむなくダンは射殺する・・・えっ!!!いくら怪しいからって仮にも隊員でしょ!変身とかではなく「乗り移り」だったらどうするの??って感じですが、そこにまたまたタイミングよく隊長が現れ、「なぜ殺した?」と詰問されます(5話にもこんな場面が・・・)。


すかさずダンは「偽者です」と答えると、案の定2人は泡のように溶けていきます。(ホッ・・・)


クラタは「モロボシ・ダン、やるな・・・」と称える。でも決してダンの名前と能力をインプットしたわけではありません。なぜって?それは最終回のお楽しみに・・・。


アイロス星人からの伝言が・・・(もはや宇宙人との交信は常識ですね)敵もさるもの、燃料と人質との交換を要求してきました。完全な誘拐犯ですね(笑)、宇宙にもこんな手段がまかり通っているのでしょうか。ここでクラタとキリヤマの意見が対立。攻撃を主張するクラタと交換条件に応じるキリヤマ。部下を殺された仇をとりたいクラタと、部下の命を第一に考えるキリヤマ。しかしここはどう考えてもクラタの方が無謀だ・・・。激しく言い争う2人、もはや2人の友情もこれまでか!

そこへダンの一言「隊長、時間がありません」・・・争いを好まないダンはここでも正義の味方でした(笑)。キリヤマ隊長は自ら燃料を持って交渉に行くと言うと、クラタも「ひとりで、か?」と身を案じる様子。やはり友人でした・・・。基地内で居ても立ってもいられないクラタと気配りをするソガのやり取りもほほえましいですね。さらに、基地を出ようとするクラタがマナベ参謀に鉢合わせ・・・「隊長、どちらへ?」と嫌味っぽくたずねる参謀の、さりげない気配りも楽しめます。そうなのです。この回はキリヤマ、クラタにとどまらず、ダンやソガ、マナベ参謀をはじめとする熱い男の友情ドラマとでもいうべきなのでしょうか。とすると、今回またもや姿を見せないアンヌの措置はこの回に限ってはいたってふさわしかったということでしょうか。


キリヤマ隊長は燃料を持って宇宙船の待つ秩父山中へ。敵の要求どおり着陸しようとすると敵は攻撃を開始する。そこへ急遽駆けつけたホーク1号、操縦するのはクラタ隊長。まさにうならせるような絶妙の展開。物理的にも心理的にもサスペンス効果満点です。


ところで今回登場のアイロス星人。「鳥人」ということですが、鳥にしてはトロそう。そうかと思えば突然後方にものすごいジャンプをしてみたり、えっ!という動きを見せます。宇宙人というよりは、どう見ても怪獣です。アイロス星人に操られた怪獣、もしくは「アイロス星獣」という方が正解ではないでしょうか。セブンは意外に苦戦し、思いもかけない戦法によりアイスラッガーもはね返されます。


戦いを終えてキリヤマとクラタはお互いの腕前を称えあった後、「もう、会えそうもないな」「命を粗末にするなよ」という、何とも切ない言葉で見送ります。戦争を体験した世代ならではの含蓄あるお言葉でした・・・。


侵略者

  アイロス星人(宇宙鳥人)

侵略目的

  燃料補給のために立ち寄る 侵略意思は否定

侵略方法

  隊員を人質にし、分身を利用して燃料を奪う

侵略アイテム

  人間の分身製造機(?)

防衛軍の対策

  燃料を渡し、人質を返すよう要求


ウルトラセブン選集



宇宙ステーションV3の隊員ヘルメットのキーホルダーです。