[ストーリー] パリ本部から潜水艦で機密書類が運ばれてくる中、基地周辺では接触事故が相次ぐ。メディカルセンターに運ばれる被害者はいずれも身元不明。付近の病院では10体もの死体が盗まれたことが判明。基地内に異様な気配がただよう。厳重な監視をものともせず、ついに書類は盗まれてしまう。セブンも正体不明の敵の前に形なしだ。書類奪還に執念を見せる警備隊と防衛軍。果たして・・・。
このお話ではとうとう怪獣や宇宙人が登場しないことになりました。ウルトラQでは何度かそういうケースはあったものの、あちらは等身大の人間たちが主人公。巨大ヒーローである「ウルトラセブン」にまでそのような回があろうとは・・・一体どんなときにセブンが登場するのか、という新たな注目点が出てきました。
防衛軍の機密情報を収めた書類を搬送するため、大型潜水艦とハイドランジャーが潜行する。しかも途中の海域で4件もの爆発事故があったといいます。そうです、侵略者はいつもどこかで目を光らせているものなのです。
場所は変わり、ポインターは走行中不気味な男をはねてしまう!!ああっ!!こともあろうにウルトラ警備隊が交通事故〜っ?しかしこの男、見るかぎりはねられる前から死んでいるような不気味さ!フルハシとアマギがあわてて介抱するものの、すでに手遅れのようだ。メディカルセンターに搬送すると何と!すでに同様の事故で搬送された人が・・・これで9人目だというアンヌ。どうなってんの??しかも不意に「被害者」がフルハシに襲い掛かる。そしてショックガンで撃っただけで死んでしまう。正統派ヒーローものと思っていたウルトラセブンも何だか今回は陰湿なドラマの様相です。
その頃、無事に基地に到着した機密書類は、最高に厳重と思われる基地内の保管庫に収納される。この保管庫がまたすごい。マナベ参謀がその秘密の開け方を全国に公開してくれています(笑)。詳細は割愛しますが見ものです。3万ボルトの電流が流れているそうで、知らずに触れようとしたアマギが参謀にたしなめられています。隊員といえども知らされていなかったのですね。
近くの病院で、安置された死体が10体も盗まれていたことがわかる。もともと身元不明なものばかりだという。先ほどからの事故は何者かが死体を操ってしかけた罠のようだ。改めて調べ直すが、「普通の死体」のようだ。ダンは死体の監視役に任命されるが、その間作戦室のドアが開いたり、メディカルセンターのドアが勝手に開いて影が入ってきたり・・・どうも怪しい。そしてついに、ソガとフルハシが監視する保管庫から書類は盗まれてしまう。あんなに厳重だったはずなのに、一体どうやって・・・?先ほどから付近を蠢いているのは影だけだ!
ダンはふと「念力」のことが頭をよぎる。敵は念力で死体を操っているのだ!怪しい気配が充満する中でダンは思わずセブンに変身する。しかしその辺り一面に白い煙が立ち込め、セブンは小さくなった、いやさせられたのだ!そして死体の影たち(シャドウマン)はコップで、小さくしたセブンを覆ってしまうと、なぜか身動きができないセブン。それを確認して影たちは去っていく。セブンはエメリウム光線で火災を起こしてサイレンで皆を集め、誰かがコップをひっくり返したどさくさにまぎれてダンに戻る。
セブンはとっさの機転で皆を呼び寄せたつもりだったのでしょうが、隊員が皆作戦室を空けてしまうことは計算外だったのでしょうか・・・。その間に影たちは通信隊員らを襲い、テープを伝送してしまったようです。しかし、そのおかげで周波数から敵の所在地をつきとめ、宇宙から遠隔操作していたことがわかります。何というケガの功名・・・?
ウルトラ警備隊は遠隔操作の発信源をつきとめ、宇宙に向かいます。円盤との格闘・・・やはり犯人は宇宙人のようですが、姿も見せなければ名前も不詳です。そうそう、追いかけたセブンは宇宙空間でまたしてもコップのようなものに閉じこめられてしまいます。姿なき敵にここまで苦しめられようとは・・・。
何ともいえない和風ゾンビを見せられたような陰湿なドラマでしたが、最後も何だかすっきりしないエンディングです。ひょっこり無事に現れたダンは隊長らに「こいつゥ〜」とこづかれながらも鳴り出した電話に出ておどけた表情。せめて少しなごませようということなのでしょうか。
侵略者
?(謎の宇宙人と思われる)
侵略目的
防衛軍の機密書類を奪う
侵略方法
地球上の死体を遠隔操作して書類を奪取させる
侵略アイテム
死体(シャドウマン) テレキネシス 円盤群
防衛軍の対策
厳重な警戒網もかなわず 宇宙まで奪還に向かう