[ストーリー]　月面基地が突如爆発し、調査にあたる警備隊と宇宙ステーションV3。ところが途中、隊長とダンを乗せたホークが原因不明の故障に陥り宇宙空間で孤立する。ダンは超音波を逆探知し、原因をつきとめる。先に月面調査を始めたV3のクラタらは、ようやく着いたキリヤマたちと合流。ここでようやく故障の原因が判明する。しかし今度は怪獣ペテロが出現、基地は再びピンチに・・・。

今回の舞台は「月」です。そしてしかもそこには「月面基地」が存在し、いきなり爆発事故が起こります。次の場面は宇宙ステーションV3、久々の登場、血気盛んなクラタ隊長もお目見えです。ここでクラタは隊員のシラハマが持つ遠隔指示器の機能を見せられる。手を使わずにコーヒーを入れています。そこへ月面基地爆発の報を受け、調査に向かう。当然、ウルトラ警備隊にも調査命令が出て出動する。向かうのはキリヤマ隊長とダン。どうもクラタが出動するとキリヤマ隊長の目の色が変わるように思えるのですが、人選はあくまでも防衛軍のようです。

月へ向かうホークの機中でキリヤマはさっそくクラタと連絡をとる。一緒に宇宙へ出るのは３年ぶりだとか、前回の戦いに比べたら楽だ、とか、まるで同窓会です（笑）。何でも２時間の捜査時間を過ぎると零下１８０度の暗闇がやってくるのだそうで、横で聞いているダンはぞっとしている。あのポール星人との戦いだって零下１４０度ですからね・・・・恐ろしい。

途中キリヤマは胸が苦しいといい、タバコに火をつけようとすると火力が異常だ！すぐに酸素を調べるが空気調節器が故障しているようで、ダンに管理責任を問い詰めるキリヤマ。方向コントロールも狂っていて思わずダンを疑ってかかる。非常事態に「言い訳はきかん！」とキレる隊長。本部と連絡をとろうとするも、通信までが途絶える。ここで隊長はダンに「この中には２人しかいない」といって、まるで犯人扱い。しかしすぐに気を取り直して「補助ロケットで進もう」と冷静に指示を出す。はっとさせておいて、後で友情や信頼を確かめ合うというのが脚本の市川森一の真骨頂でしょうか。

本部では突然交信が途絶えたホークの安否を心配してクラタと連絡をとるが、クラタの方は「キリヤマのことだ、何とか来るだろう」と、さして気に止めていないようです。先に月へ向かいます。

ダンは逆探知レーダーで超音波の存在を確認し、通信妨害の原因を究明。その音波の発信元はなんと、クラタ隊長機から！！一体なぜ？今度はクラタを疑うのか？

月面基地の跡を調査するクラタと部下のシラハマ。不意に後ろから襲いかかるところをクラタが気づき、２人はもみ合いになり、シラハマは放り投げられる。シラハマは何と宇宙人であったのだ。その正体を明かし、３年前にクラタ・キリヤマのコンビにやられた復讐を果たしにきたヘルメス惑星の宇宙船団・ザンパ星人であったのだ。単にクラタへの復讐をするのでなく、キリヤマとの友情とか信頼を破壊しにきたという、まるで義理人情の世界を生きてきたかのような、なかなか高尚な宇宙人です（笑）。

そこへようやく到着したキリヤマとダン。キリヤマがクラタとの再開を喜ぶ間もなく、シラハマの持つ遠隔指示器を見てダンはすかさず、「隊長、ホークの故障の原因が今わかりましたよ」と。キリヤマも不敵に笑いながら「私にもわかったよ」。そして、「さあ、手を上げてもらいましょうか」何だかできすぎのドラマです。正体を現すものの、あえなくやられるザンパ星人。すると地響きがして怪獣ペテロが出現！親玉がやられると怪獣が出現する、というパターンは多いですね。ナース、ギラドラス、ダンカン・・・この頃がハシリでしょうか？

月怪獣ペテロ、いくら月だからって月見だんごを重ねたような風貌。顔や手足もなく怪獣というよりは貝のような生物です。体は意外に柔らかそうですが、セブンもとらえどころがなく苦しむ場面も・・・。

この回はほとんどが宇宙空間と月の場面だけで、辛うじて留守番部隊が交信をする場面くらいしか地球のシーンはありません。地球に残ったアンヌは宇宙でのダンの安否が心配でならない様子が描かれています。ラストでも「帰ってくる、きっと帰ってくるわ」と念じるシーンが印象的です。

侵略者

　　ザンパ星人（復讐怪人）

侵略目的

　　数年前、月で防衛軍との戦いに敗れた復讐のため

侵略方法

　　爆発を起こして防衛軍を誘導　ホークの機能を遠隔操作

侵略アイテム

　　隊員に変身　遠隔指示機　月怪獣ペテロ

防衛軍の対策

　　現地調査　ホークの救援