[ストーリー] ニセの通報に振り回されるウルトラ警備隊。そこへまた通報がありダンとアンヌが駆けつけると、これまで無敵と称するガッツ星人が出現。ウィンダムを登場させるがあっさり倒されてしまう。翌日敵の宇宙船は再び出現、駆けつけたソガは拉致され、ダンもセブンに変身。ところが分身術を駆使するガッツ星人の前に大苦戦。ついには人々の見守る場所ではりつけにされてしまう。そして、夜明けとともに処刑するという。
冒頭モノクロームの画面でいきなりセブンが登場。早くも怪獣と戦っています。と思いきや、うんと低音の渋い声のナレーションが入り、これがすでに終わった戦いであることを示します。セブンの必殺技や能力を分析しているようです。ここまで入念に侵略態勢を整えた宇宙人はウルトラシリーズでも他に例がないでしょう。研究のためにわざわざ豪力怪獣アロンを送り込むあたり、並々ならぬ意欲です!これだけをもってしても今回は並みの相手ではないことをうかがわせます。
この後、作戦を口にするガッツ星人、もはや普通に日本語で会話していますね(笑)。ダンを倒しただけでは意味がないという。なかなかのツワモノです。
本部ではしきりにかかってくるニセの通報に困惑気味。しかし、フルハシに届いたアフリカからの贈り物でなごやかムードに。そこへまた通報があり、ダンとアンヌが急行。夜の街へポインターが止まると、無人の車が次々と集まってくる。すると、ダンを待っていたかのようにオウムのような姿のガッツ星人が登場。「われわれは、いかなる戦いにも負けたことがない、無敵のガッツ星人だ!」って、その自信までも恐るべし!アンヌは思わず目をそらすが、こんなときに限ってタイマン対決をしようと目論むダンのすぐそばに寄ってきます。本部へ連絡を頼むダンの依頼を振り切り、「私だって、大した腕前なのよ、見くびらないで!」と強情です。しかし最後はダンの押しに負けて、ダンはウィンダムを出現させる。ところがさすがに強敵!「貴様など相手にならん!」といって宇宙船から攻撃し撃退、炎上するウィンダム。哀れな最期!
翌日、本部では作戦会議のような、ピリピリした雰囲気。ダンも、自分を何とか誘い出そうとする敵の作戦について考え込む。ソガとフルハシのコントのような会話がかろうじて和ませてくれます(笑)。そうこうする間にまたしても敵の宇宙船が登場。ホークで特攻をしようとするアマギ、しかし同乗するアンヌは懸命にそれを阻止(そりゃ、そうでしょう)。ダンとソガもポインターで現場に到着するが、ソガが敵に拉致されてしまう!一瞬変身をためらうダンだったが、いよいよというとき、ついにセブンに変身。ところが今度の相手はそれを待っていたのだという、恐るべき相手だ。
セブンの必殺技はガッツ星人の分身術の前にまさに「暖簾に腕押し」。どんどんエネルギーを消耗するセブンにガッツ星人は容赦なく逆襲。光線技などを受けてついにセブンは十字架にはりつけにされてしまう!!このときの敵2匹のガッツ星人に囲まれてセブンがいたぶられる(?)シーン、強烈でしたね。影の演出も絶妙です。何しろウルトラシリーズで、ヒーローがここまで完璧にたたきのめされるというのは、「ウルトラマン」最終回以来でしょうか。しかもそれが全て当初からの計画通りというのも衝撃です。
セブンを手中に収め、自慢げに見せ付けながら地球の降伏を迫るガッツ星人、何だか玉音放送のようであります。一体、どこから放送しているのでしょうか(笑)。「地球の全人民に告ぐ!君たちの英雄セブンは夜明けとともに処刑されるであろう!」(って、あんたたちが勝手に処刑するんでしょうに!)これぞまさに敵の狙い通りの展開です。防衛軍恐れるにたらず、セブンを倒すことこそが地球人にもっとも衝撃で、戦意を喪失させるものに違いない、とみていると思われます。しかし、地球人は決してあきらめてはいません。
行方不明のダンを探す隊員たち、特にアンヌは必死です!本部に帰り、一同セブン救出に案をひねってるところに、アンヌはしびれを切らし、口調もきつくなります。そこへナレーション「明日はわれわれ人類の破滅の夜明けになるのだろうか・・・?」ストーリーも狙い通りです(笑)。