[ストーリー] 防衛軍基地を突如異常な寒波が襲う。気温零下112度!原子炉もストップして基地は外部との交信も絶たれる。パトロール中のダンもポインターがエンストして基地へ戻るが・・・。この寒波は過去2度の氷河時代を作り出したというポール星人の仕業であった。修復作業に携わる隊員たちも相次いで倒れ、やむなく基地退避を決意する。寒さに弱いセブンも絶体絶命、果たしてその運命は・・・?
防衛軍基地上空に襲う謎の黒雲。あっという間に異常な寒波が襲来し、基地周辺は猛吹雪の大雪原と化する。変わりすぎっ!!零下112度って、おそらく人間は生きていけずに即「氷結」ですよね?ダンの運転するポインターもホバー機能も閉ざされピンチに・・・。挙句の果てにはエンストして隊長に連絡するが、「ポインターを捨てて基地へ帰って来い」って、そりゃあ、あんまりじゃないですか?基地から何キロある場所かはわかりませんが、猛吹雪、雪に埋もれた道、そして零下112度!!普通、帰り着くまでに倒れちゃう、というよりも氷漬けになっちゃいますよね。ビデオシーバーでのダンの思いっきり不快な表情も理解できます。考えてみれば、寒さに弱いセブン=ダンはこの時点でセブンに変身して基地にとんぼ返りすればよかったのですね。そうすればこんなに苦しい目にも遭わずにすんだし、基地の復旧にも一役買えたのに。
原子炉も何者かに襲撃され基地の機能は完全にマヒ状態。復旧にあたる隊員と隊長との通信「何が何だかわかりません!」「何が何だかわからんじゃ、さっぱりわからんじゃないか!!」漫才としても結構いけるかも(笑)。襲撃現場には凍結怪獣ガンダーが冷凍光線を吐き続けていた。それにしても考えられない温度です。ホークなどウルトラ警備隊の秘密兵器も稼動できないとあっては、これはもう絶体絶命です!当然、長官以下基地内の隊員や職員たちもなかばパニック状態。職員の身の危険を察知した医療班スタッフが、たまらず長官に対して退避宣言を進言する始末。このときは長官も、地球のために基地は見捨てられないとして固辞。しかし・・・基地を退避するとして、ホーク等の兵器も使えず、外部との交信も絶たれた基地からどうやって退避するというのでしょう。基地内に寄宿する職員がいるとしても、電気すら通わない基地内にとどまることも危険だと思います。案の定、作業中の職員の中にはあまりの寒さに倒れる人が出てきます。
ここで吹雪の中をさまようダンの前に幻影が現れる。いや、幻影のような出現をするポール星人の登場です。燃え滾る炎を背景に、操り人形の影絵のようなポール星人の存在感は絶妙です。ウルトラシリーズ全体を通してもそのアイディアは絶品です。しかも、そのか細い容姿からなかなか小憎らしいことをほざいてくれます。何でも地球のかつての2度の氷河期は、このポール星人が作り出したのだとか。地球にマンモスしかいなかった頃にもこんなイタズラを仕掛けようとは何と悪辣な!!(笑)
懸命の復旧作業もかなわずやむを得ず退避命令を発令。英断を下したヤマオカ長官も倒れ、キリヤマ隊長は玉音放送を思わせる基地内放送をします。メカに強いアマギは「チキショー」と感情を珍しく表に出します。しかし、なぜかその後奇跡的に基地は回復します!?
雪の中でウルトラアイを落とし、探していたダンもようやくそれを見つけセブンに変身。怪獣ガンダーと戦わせたミクラスを放置して、まずは太陽の下へ向かいエネルギー補給です。セブンのエネルギーって、そんな単純なものだったのでしょうか?あの超能力などを考えたら、吸い取られた太陽の方が心配です(笑)。セブンさえ回復すれば怪獣ガンダーも、ミニ宇宙人も敵ではありません。戦っている間ミクラスは指をくわえて見ていたのでしょうか。
退却するポール星人の文字通りの「捨て台詞」も愉快です。とにかくよく笑います。というよりも笑いのツボも完全にずれています。だからこそ、宇宙人なのでしょうけれども・・・。
終わってみればやれやれ、という感じですが30分のドラマにしては濃厚で緊迫感も十分で堪能できます。何しろ地球が誇る最新鋭の兵器や機能を完全に止められたわけですからね。こしゃくなミニ宇宙人のあわや大金星の健闘に思わず拍手を送りたくなります(笑)。もちろん、それだけでなく短い間に宇宙人を脱帽させた人間の結束力や使命感が物語に花を添えています。出演者も豊富で、ちょっとした名作映画を見た気分です。
侵略者
ポール星人(ミニ宇宙人)
侵略目的
地球に第3期氷河時代を見舞わせたい愉快犯
侵略方法
防衛軍基地をはじめとする地球氷漬け
侵略アイテム
異常寒波 凍結怪獣ガンダー
防衛軍の対策
原子炉をはじめとする基地の機能を止められ、なすすべなし