[ストーリー] ソガの婚約者・サエコの通う京南大学が教育機関として初の観測衛星の打ち上げに成功した。しかしその衛星は地球の科学力をはるかに超えており、ニワ教授が怪しいとみて、助手のイチノミヤをソガはサエコと連れ出そうとする。博士が宇宙人であることを知りながらも信頼し、地球を脱出を企てていたイチノミヤだが、博士が実は地球侵略のために利用していたことを知ると・・・。
京南大学構内、ソガの婚約者サエコが研究室の前を通りかかると、怪しい物音が・・・。中の様子を見ると、何やら怪物のような姿を目にする。この婚約者を演じる女優さん、何と学生さんだったのですね。しかもまだ2年生・・・素晴らしい落ち着きぶり。
作戦室ではソガが何だか嬉しそうに一人ではしゃいでいる。京南大学が教育機関としてはじめて観測衛星の打ち上げに成功したというニュースを自分のことのように喜んでいる。煙たそうに仕方なく聞いているフルハシの横でアンヌが「ねえ、ソガくん」と冷やかす。京南大学とは、サエコの通う大学で、そのとき始めてソガの婚約を知ったフルハシは、驚いてソガに詰問する。「ソガくん」とはサエコがソガを呼ぶときの言い方だ。対照的にアマギはいたって冷静。婚約者の大学の快挙を「それはあまり自慢できんな」と軽く一蹴。あらら・・・。その衛星が司令部で問題になっていることを告げるアマギにソガは「えっ!サエコさんが?」と軽妙なボケでかわします(笑)。
今回のお話はスパイもので、子供にはちょっと理解しづらいでしょうか。宇宙人の容姿もどちらかといえば地味で結果的にこのあたりから視聴率の低下を招いているような気がします。私も幼少時にはよくわからなかったのですが、しかし、今あらためて見直してみるとなかなか深くて見ごたえがあります。
観測衛星が問題になっているのは、それが実は地球の科学力をはるかに超えたものであって、それを打ち上げたニワ教授が宇宙からのスパイではないかという嫌疑がかかっているのです。サエコが研究室で見た怪しい姿も実はニワ教授では、との調査に乗り出すため、ソガはサエコと京南大学へ向かいます。そしてその助手イチノミヤの救出を兼ねて・・・。
サエコは高校の先輩であるイチノミヤを車に乗せソガに会わせることを伝えると、イチノミヤの様子が一変。車を強引に止めさせる。イチノミヤはニワ教授が宇宙人であることを知りながら、地球で認められなかった自分の研究を認めてくれた教授を尊敬し、その右腕として仕えていたのだ。一方ソガは研究室でニワ教授を発見するが、その正体を問い詰めると逆に襲われてしまう。ソガを襲ったニワ教授ことプロテ星人ですが、なかなかしたたかです。ソガを眠らせている間に防衛軍の機密事項をしっかり聞き出しています。
ニワ教授を演じる成瀬昌彦さん、圧倒的な存在感ですね。見るからにシュールで何かを演出してくれそうな、宇宙人の役にはピッタリ(失礼?)。ソガを襲う通称「Vサイン光線」もぴったりと板についています。そしてこのお方、のちにさらにはまった役として再登場することになります。それはまたのお楽しみに・・・。
イチノミヤはいよいよ地球を脱出するという段階になってすっかり嬉しそうです。よほど研究が認められないことに屈折した願望を抱いていたのでしょう。ところが、スパイ衛星の本当の狙いを知ると、
態度は一変、裏切られたという思いもあったでしょう。尊敬して仕えていた教授にはじめて敵意をむき出しにします。教授も、これは困ったとばかりに複雑な表情をしながらもあくまで冷静・・・このあたりが宇宙人っぽい(笑)。
プロテ星人を見ると思わずしょうゆをかけたくなります。なぜって?見ればわかるでしょっ!!(笑)セブンとプロテ星人の戦いはどうもしっくりきません。きつねにつままれたような何とも後味のよろしくない決着です。実に用意周到に地球侵略に野望をめぐらせてきましたが、思いがけない落とし穴が・・・。
エンディングも思わせぶりでしたが、冒頭のシーンとの比較でどきっとさせようとしましたが、いまひとつ理解されにくかったようです。「ひとりぼっちの地球人」とは、自身の心の葛藤から現実逃避する思いを、得体の知れない宇宙人に運命をゆだねるという実に悲しい青年のことでありました。結構ありがちな人間心理をたくみについていて秀逸な作品だと思いますが、だんだんと対象年齢に変化がみられ、結果として視聴者をとらえきれなかったのは皮肉な事実です。
侵略者
プロテ星人(宇宙スパイ)
侵略目的
用意周到な割には不明
侵略方法
教授になりすまし、スパイ衛星を打ち上げ
侵略アイテム
スパイ衛星 電送移動装置
防衛軍の対策
敵の宇宙船から衛星を守る