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ウルトラセブン Classic World
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 ウルトラセブン解析
ウルトラセブン ストーリー紹介
第30話「栄光は誰れのために」


[ストーリー] ウルトラ警備隊の野戦訓練に、自信家の青年アオキがやってくる。アオキはフルハシの制止もきかずに訓練中のホークを撃ち落そうとする。栄光の正隊員の座を目指して躍起になるアオキは手段を選ばない。やがてマグマライザーを敵に占領され、訓練は一転、実戦の場と化する。無謀な行動を続けるアオキもついには敵の襲撃を受け、プラチク星人の前にセブンも苦戦する。



ウルトラセブン ポイント寸評

このシリーズ中でも最も印象に残るゲスト出演者といってよいでしょう。その名もアオキ。防衛軍内で研修を積んだエリートで、近い将来ウルトラ警備隊への道を参謀から示唆されている男です。いきなりフルハシとアマギの射撃を見て大笑い。そして自分の腕前を披露する自信家でもあります。射撃の名手・ソガがいればその鼻っ柱をへし折ることもできたかもしれませんが。二枚目で表面的には礼儀もしっかりしているのですが、とにかく一言多い。そして皮肉屋さんでもあります。腕はいいかもしれませんが、社会に出たときに間違いなく孤立するタイプなのでしょう(笑)。今回はこのアオキの言動にみんな振り回され、その方が気になるような展開です。


野戦訓練の場で颯爽といいところを見せつけたアオキがなぜか基地にいます。形無しに終わったフルハシとアマギが帰ってくると、いきなり参謀から紹介を受けます。このときのアオキの登場がまた何ともイカしてます。後ろ向きの姿からくるっと体を反転。格好のつけ方も一流のようであります(笑)。


そして訓練は続き、敵機襲来のアナウンス。ここでアオキは「私一人で十分です」と大見得を切って単独行動を参謀に直訴。フルハシの補助のもと、認められると、何と隊長とダンが乗る仮想敵機を本気で撃ち落そうとする!しかも「馴れ合いの訓練でお茶を濁して何の役に立つんです!」とへらず口をたたく。キレるフルハシ。もはや敵はすでに出現しているようです。


基地に帰ってからも「危うく殺されるところだったぞ」と隊長がにこやかに冗談で切り返すところに「本当はウルトラ警備隊の欠員が2名できるところでした」と挑発的。ダンも思わずむっとする。マナベ参謀も思わずたしなめるものの、すぐに「こういうはりきり男だ」と、さして気にはとめていない様子。ダンが入隊したときもそうでしたが、時々不可解な言動をとる防衛軍幹部たち。


あらためてアオキはダンと一緒に行動するものの、やはり挙動がおかしい。ダンには特に対抗意識を燃やしているようです。勝手な行動に思わずダンも一喝します。第2話から今まで新人隊員として常に謙虚に見えたダンでしたが、いつの間にかすっかり先輩の態度を取っています。たしかに仕事はできる男でしょうが・・・。その訓練のさなか、何やら怪しい動きがあり、ダンも察知します。アオキは自分の手柄がほしいあまりに暴走します。何者かの気配を感じながら、わざわざマグマライザーに発信機をしかけて、訓練生仲間を見殺しにして、敵に乗っ取られてしまうのです。人命の犠牲を何とも思わない特攻隊精神のアオキでありました。


実戦態勢に切り替えた警備隊はマグマライザー奪還の指令を、志願してきたアオキに託す。ダンも一緒だったが、またしても無謀な行動に出たアオキは敵の攻撃を受ける。瀕死のアオキを尻目にダンはマグマライザーに乗り込む。そこに現れたのはプラチク星人。プラスチックだけにレーダーも感知していなかったのでしょうね・・・(えっ、いつもだって?)。


今回登場するのはプラチク星人。野戦訓練の最中に突如現れ、その正体すらなかなか判明しませんでした。さらには侵略なのか単なる嫌がらせなのかということも不明です。何しろ宇宙人の意思が明らかにされません。宇宙博士(?)のダンもこの宇宙人については言及しません。一体何者なのでしょうか。この存在感の希薄な宇宙人もセブンとの格闘で意外に侮れないところを2度も見せてくれます。いずれも結果的には大したことはありませんでしたが。


ラストシーンは無謀な死を遂げたアオキに黙祷をささげるところです。その言動に振り回されてきたフルハシやダンもこのときばかりは寂しそうです。しょせん、防衛軍という組織の前には小さな存在だったのかもしれません。しかし、お茶の間の子供たちには何とも複雑な思いを残してくれたことでしょう・・・。


侵略者

  プラチク星人(プラスチック怪人)

侵略目的

  敵の意思表示が一切出てこない

侵略方法

  野戦訓練に便乗

侵略アイテム

  火には弱いが強靭な生命力

防衛軍の対策

  敵よりも味方の暴走を阻止


ウルトラセブン選集



ノベルの形で物語の謎が、今、明らかに「ULTRASEVEN X」の裏側や登場人物たちの言動など謎に迫ります。